我が国にかつてない打撃を与えた東日本大震災の際、半導体工場内の製造設備が倒壊したことから製品出荷が止まり、世界中の自動車工場が操業停止に至りました。
東日本のペットボトルキャップ工場の自動倉庫の高層ラックから製品が落下し、スタッカークレーンが稼働できず、 キャップが出荷停止になりました。
東北地方の道路や鉄道は至る所で損壊し、物流網は破壊的な状態となり、被災された人々に食料品や日用雑貨が届けることができませんでした。
民間運送業者は、自衛隊と共にドライバーとガソリンが残っているトラックを駆使して、地震の揺れから無事 残った橋やトンネルを活用して食料品や日用雑貨をリレーして東北各地に輸送しました。
災害などの緊急時だけではなく、普段もキャリア/フォワーダーが協力しあって荷物を運ぶこと ができれば、積載率が向上してエネルギー効率が良くなり、CO2削減で地球環境にも貢献できます。
さらには、人手不足や働き方改革などの社会的課題が解決できます。
上智大学名誉教授の荒木は、2019年春に日本の物流の大改革の旗印として
フィジカルイン ターネット(Physical Internet:PI:π)を日本に紹介しました。
フィジカルインターネットは、「究極のオープンな共同物流」として救世主のような形で人々から注目されるようになりました。
しかし、パレットや通い箱、自動倉庫などのハードウェアと倉庫管理などのソフトウェアの標準化、物流データ基盤のプラットフォームの構築、関連する法の整備、人材育成など実現するにはさまざまな課題があります。
フィジカルインターネットを実現するためには標準化、規格化の推進や各拠点のシステム改革、運用システムの構築、新技術、新素材や人工知能などの活用など研究課題が存在します。
これらの課題に取り組む人材育成が必要であり、フィジカルインターネット学会の設立が待たれていました。
物流システム、情報システム、梱包素材の開発、マッチングシステムなど以下のさまざまなテーマの研究結果の発表や論文の投稿が期待されます。
1 物流、ロジスティクス、サプライチェーンマネジメントに関する基礎概念
2 物流システム機器の自動化、規格化、標準化
3 物流情報の標準化、ビックデータ構築
4 人工知能活用による物流量の需要予測、積み込み組み合わせ
5 輸送ルート、リレーの設定
6 新技術活用による梱包資材の開発
7 自動積込み、荷卸し技術の開発
8 無人運転活用による高速道の隊列走行技術の開発
9 RFID、QRコードなどの自動認識技術の活用による物流品質の高度化
10 最短経路、在庫管理、組合せ問題などの数理計画 など

フィジカルインターネット学会
代表理事 荒木 勉